この世界の片隅で、ネコ。EP:61「世話焼きばあちゃん」

「世話焼きばあちゃん」

陽気なチャトラばあちゃんは地区の人気者。

ずいぶん歳の離れたボス猫に求婚されたこともあるほど。人間が見るとフツーの猫、だけど彼女の人気の秘密はなんだろう。

人懐っこいのは人懐っこいが50cmを超えて接近すると逃げてしまう。逃げる時、後ろを向くがその時に見えるボブテイルはたしかにカワイイ。

猫なつっこい(?)のも猫なつっこい。喧嘩をしている所なんて見た事ない。世話焼きで地区のもめごとの仲裁役をかって出てるようで猫望(?)もあつい。

きっと、チャトラばあちゃんは「みんなの」ばあちゃんなんだ。もちろん血縁かどうかは置いておいて皆、ばあちゃんの孫なんだ。

そうすると(義理のだが)孫の数…ひ孫の数…合わせるとスゴイ数になる。孫は目に入れても痛くないとはよく言ったもので、とにかく孫・ひ孫を可愛がっていた。

最期には痩せてしまったがギリギリまで孫・ひ孫の面倒を見て、ポックリ逝ってしまった。

ああ、なんか理想の老後だなぁ。

死に方は生き方なり。ばあちゃんの猫徳(?)が苦しまずに彼女を天へ召したのだろう。

不思議な事にばあちゃんの埋められた"お墓"でもあるカエデの木にボス猫がやってきてスプレーをした。偶然だろうが何か尺別の思いを見せつけられたようで…少し感動した。

香典代わりだろうか…まあスプレーが香典というのはかなりおかしいが。でも陽気だったばあちゃんならアリだ。

ばあちゃんの死後、しばらくたって玄孫が産まれた(義理だが)。なんとばあちゃんと同じ模様!生まれ変わりなんか信じてないが、ボブテイルまで一緒。

不思議な偶然があるものだ、やはりばあちゃんみたいに世話焼きになるのだろうか。

text&photo/Kenta Yokoo

-コラム
-, ,