この世界の片隅で、ネコ。EP:52「男と女」

「男と女」

竹馬の友とはよく言ったもので、子猫時代にベッタリな2匹の猫がいた。

キノボリとヤンミケ。姉弟ではないが親が友達同士なので自然といつも一緒だ。

もうほとんど姉弟の様なものだろう。

子猫の好奇心は旺盛で石ころでサッカーみたいな事をしたり虫を捕まえては一緒に遊んでいる。とても仲睦まじくて、見ているこちらも思わず笑顔になる。

そして一年弱が経ち恋の季節。

キノボリもヤンミケも少し早いが例外ではない。僕は期待をこめて二匹がカップルになればいいなぁと思っていた。

しかしヤンミケは歳の離れた地区一番のイケメンに恋をした。

キノボリはどう思ったろうか。

まあ結局モテモテだったイケメンからふられてしまうのだが。

だけど2匹の関係がぎくしゃくする事はなかった。やはり日がな一日一緒に遊んでいる。

どうだろう、二人は男女という壁なんて微塵も感じていないのかも。

竹馬の友だ、愛情より友情が勝った。驚くべきことだ、人間ではあまりない。

そしてキノボリは少し年上のチャトラと結ばれた。3匹生れてかわいい子猫。驚くべき事にヤンミケが子育てに協力している。姉弟みたいな関係だ。

つまりヤンミケは子供たちにとって叔母さんがわり。ヤンミケ、まるで我が子の様に可愛がり幸せそうだった。

僕ら人間は血縁に様々なしがらみがある、が猫は自由だ。そもそも血の繋がりとは何だろう。ヤンミケが子猫たちを毛繕いしている。

ああ、ほっとする。

僕らは猫から学ぶことは沢山あるようだ。

text&photo/Kenta Yokoo

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