この世界の片隅で、ネコ。EP:23「恋はわからない」

「恋はわからない」

モテる男はなにやってもモテるのだろう。口元の右にあるホクロがチャームポイントのムギ君。

この男、相当モテる。

ある時はシャムの血が入っている皆が憧れていた美人を射止めた。わざわざ駐車場でイチャイチャしたりして、まわりは見せつけられていた。

ある時は若い三毛猫の心をわしづかみにして離さなかった。

三毛猫の束縛がすごくてどこへ行くのも一緒な歳の差カップルだった。

ある時はハートの模様がある素敵な雌猫を夢中にさせた。

なかなか他の猫には心を開かないハートちゃんをどうやって射止めたのだろう。

ある時はボス猫の娘と許されざる恋をして周囲を驚かした。
空き家の縁台で日向ぼっこなんかしてもはや老年期のじいちゃんばあちゃんだ。

とにかくモテて素敵な子と愛を育んできた。

だけど長続きしない…

なぜだろう。

ある時年老いた茶猫に猛アタックするムギ君がいた。だけど茶猫は一向になびかない。最終的には猫パンチをくらい明確にお断りされた。

モテすぎる男、ムギ君がなぜ老齢の茶猫に恋をしたのか誰もが疑問に思った。

ただひとつだけ理由らしい理由があるならばムギ君の母は茶猫だった。

人間の男は母親似の女性を好きになる事が多々あるらしいが、猫の世界では、さて。

どちらにせよ恋はわからない事だらけだ。

人間も猫も。

test&photo/Kenta Yokoo

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