この世界の片隅で、ネコ。EP:20「なにもしませんむ」

「なにもしませんむ」

繁華街の一本裏におしゃれな店や飲食店が並ぶ通りがある。その通りに多くの飲食店を経営されている方がいる。

その方の飼い猫が「チャーちゃん」。

よくチャーちゃんには写真を撮らせてもらっていた。

落ち着いていていい猫。ご主人もたいへん良いお人柄だ。

その端正な顔立ちからお金持ちのボンボンかと思いきや、よく木に登って虫を採ったりしてるヤンチャ猫。

晴れた日にはよく近隣にパトロールに出ている、地区の顔役的存在だ。

ところで。

猫の撮影をした後は必ず、上述のご主人が経営するラーメン屋に夜ごはんを食べに行く。

そして、そのラーメン屋に「求人!」の文字とともに、

「猫の手より人の手」

「猫の手は足りてます」

というポスターが、見た事のある猫の写真と共に貼ってあった。

更に一番下には

「吾輩はチャーちゃん。肩書:何もしま専務!」

と書いてある。

…思わず苦笑してしまった。

一度、自分が専務を務める店に視察(?)に訪れたのを見て、これも苦笑してしまった。

「なんだ専務、肩書以外の仕事もしてるんだね。えらいえらい」

そう言ってみると、わかったような顔をして自分の店に匂いをつけ、次の視察先に消えていった。

またチャーちゃんのラーメン店を訪れたくなった。

クセになるおいしさです。

text&photo/Kenta Yokoo

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